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前回までに触れたように、従来の甘味料には、幾つかの問題点がありました。
特に、虫歯や肥満の原因になりやすいことです。従来の甘味料は、自然界に豊富に存在します。
個々の食材に含まれる甘みはごくわずかです。しかし、それをかき集める術を人類は持っているのです。
……とっても欲張りですね(^o^)。
強欲は、罪です。だから、虫歯や肥満といった罰を受けるのです。砂糖の利点と欠点が知られるように
なってから、様々な代用糖が開発されました。前回触れたように、新しい甘味料は、大雑把に言って
次の2種類に分けられます。
A天然にごく少数しかないものを加工したもの
B本来甘くないものを化学的に変換して甘くしたもの。
どちらも、甘くてもカロリーが低いとか、甘くても虫歯になり難いなどの新しい機能を有しています。
虫歯や肥満の原因とならない甘味料として開発されたので、ある意味当然ですが。
Aの中で、最も有名なものの一つにキシリトールがあります。
キシリトールは、白樺や樫などの樹木から採れる天然甘味料です。野菜や果物などにも、僅かですが
含まれています。キシリトールが、砂糖の代用糖として有力な理由の一つに、カロリーが低いだけでなく、
口腔常在菌や腸内細菌を抑制するなどの利点もあります。
虫歯の原因となるストレプトコッカス・ミュータンスは、口腔常在菌の一種です。
その活動を抑制するのですから、虫歯予防につながります。それ故、ガムなどに用いられています。
具体的に、どうやって細菌を抑制するかというと、理屈は簡単です。キシリトールは、天然にはごく微量
しか存在しません。逆を言えば、ほとんどの細菌は、キシリトールを分解できないのです。
よって、ストレプトコッカス・ミュータンスが、砂糖を分解しようと思って近づいても砂糖でないため、分解
できないのです。分解できない=エネルギーにならないので、活動が抑制されるわけです。
『裏切ったなー!僕の気持ちを裏切ったなー!』
と叫ぶストレプトコッカス・ミュータンスの姿が目に浮かびます(^o^)。
……シンジ君じゃないですよ(^^;。
また、キシリトールは、歯の再石灰化を促進させるという説もあります。これは、甘いものを食べると消化する
ために唾液が出ます。キシリトールは甘いです。当然、唾液が出ます。この唾液が歯を歯を洗い流すから、
再石灰化が進むというわけです。
この説は、異論もあります。何故なら、唾液は別にキシリトールを食べなくても分泌されるからです。
砂糖も食べれば唾液が出ます。つまり、砂糖などの従来の甘味料は、虫歯になりやすかったのに対し、
キシリトールは虫歯になり難いから、再石灰化能が強いという考え方です。
ひいきのひきたおしに近い考え方だと思います。
余談ですが、キシリトール入りのガムのCMで、北欧の某国の食後の習慣として、食後にキシリトール入りの
ガムを薦めるというものがありました。これは事実です。虫歯予防という観点では、すばらしいと思います。
しかし、ここには、語られない事実があります。
その国では、虫歯の検査は保険適応で無料です。しかし、虫歯の治療は、保険対象外です。
だから、虫歯になると、とんでもないお金がかかります。
故にキシリトールが食後の習慣であるのは、虫歯の治療にお金を使えないという現実があるからです。
……世の中、世知辛いですねぇ(^^;。
閑話休題
ともあれ、そんな利点のあるキシリトールですが、砂糖の代わりに使うには、重大な問題があります。
キシリトールを食べて、体内を通過する過程で、大量の水分を吸収します。
そして、大腸でキシリトールは分解されます。当然、蓄えた水分も放出されます。
結果、大腸内の水分量が増え、お腹がゆるくなることがあるのです(^^;。
ただ、これはキシリトールを摂取するのになれてくれば、身体は対応できるようになります。ですが、最初の
数回は、お腹がゆるくなる可能性が高いのです。とても大量に使用できるわけがありません。
ちなみにお腹がゆるくなる目安は、ガムやキャンディの袋一杯分です。この量を超えると、お腹がゆるくなる
危険性が高まります。このことはキシリトール入りのお菓子には、ちゃんと書いてあります。

無論、個人差があるので、ガムやキャンディに含まれるキシリトールは、それなりの安全域を設けています。
だからキシリトール入りのガムをいっぱい食べると、必ずお腹がゆるくなるという事態にはならないでしょう。
ですが、ガムやキャンディ以外ではどうでしょう。以前書いたように、ケーキやパンに入れる砂糖の量は、
かなりの量になります。もし、キシリトールに置き換えたら、摂取限界量をこえることは確実です。甘いけど
下痢をする可能性がある食品を販売したら、下手をしたら保健所から営業停止処分を言い渡されます。
そんなものが売れるわけがありません。だからキシリトール入りのパンやケーキは、売られていないのです。
虫歯にならない甘味料。
すばらしい食品ですが、全ての問題の解決にはならないのです。
以前はやったマーフィの法則にこんなものがありました。
『一つの問題の解決は、別の問題を生む』
世の中、思う通りにはいかないものです(^^;。
次回は、Bの新しい人口甘味料を主に使ったカロリー0の食品の問題点について、
お話したいと思います。
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