虫歯にならないための甘いもの講座 #06 カロリー0の陥穽


虫歯になりやすい。カロリーが多い。
この2点が、従来の甘味料の欠点でした。

新しい甘味料は、この欠点を克服したものです。

 

……食品として考えると、欠点と呼んではいけないんですが(^^;。

 

今回は、カロリーが少ない甘味料の問題点をお話したいと思います。

前回の分類で行くと、【B本来甘くないものを化学的に変換して甘くしたもの。】がメインになります。

最近、TVのCMなどで、カロリー0を謳った甘味料を用いた食品が宣伝されています。

では、カロリー0の甘味料は、何故、カロリー0なのでしょう。実は厳密には、カロリー0ではありません。

 

現行の法律では、100gで5キロカロリー以下の食品は、0カロリーと表示していいことになっています。

純粋にカロリーが0なのではなく、0といってもいいくらいカロリーが少ないから0カロリーとなるわけです。

以前、カロリー0のパンやケーキが出来ない理由に、甘味料の使用量を挙げましたが、それ以外の

理由に小麦粉やバターなどの材料が持っているカロリーがあることをあげたいと思います。

常識で考えて、カロリー0に近い食品なんか元々ほとんどありません。よって、現時点では、カロリー0を

謳えるのは、清涼飲料水やゼリーなどの水分を多量に含む食品だけなのです。

無理に上げれば、キンピラゴボウなんかもカロリー0になるのかもしれません。ただ、そういう風に謳って

いるお惣菜屋さんを、見たことがありません。従来の甘味料では、カロリー0で甘い食品は、不可能で

した。甘い物は、カロリーが高いのです。しかし、新しい甘味料は、それを可能にしました。

 

カロリー0を謳っている甘味料には大雑把に言って2種類あります。

一つは、砂糖の何十倍も甘いのです。凄く甘いから、カロリー0に抑えられる少ない量でも甘いのです。

そして、量が少ないからカロリーが少ない。極めて当り前の理屈です。

アスパラテーム、サッカリン、ステビア。

このあたりの甘味料が、こちらにあてはまります。それぞれについて、簡単に説明します。

 

アスパラテームは、アミノ酸由来の人工甘味料です。カロリー0のコーラとか、ペプシNEXなどに使われて

います。人口甘味料であるため、安全性について色々と言われております。

 

……ググッてみると、怪しい話が色々と出てきます(^^;。

 

サッカリンは、トルエンなどから合成される人口甘味料です。一時期発癌性が疑われました。後の実験で、

その疑いは否定されましたが、我が国では、法律で使用が制限されています。

なお、亜米利加や中国では使用制限がありません。原色に近いお菓子に使われていると考えて間違い

ありません。輸入食品を購入の際は、頭の隅に入れておいてください。

 

ステビアは、南アメリカ原産のキク科の多年草ステビアから取れる甘味料です。

言うならば、ハーブの一種で、肝炎などに有効といわれています。こちらも一部で発癌性が疑われて

おりますが、立証されておりません。サッカリンとは逆に、日本では認可が下りていますが、亜米利加

では認可が下りていないというややこしい事態になっております。

 

カロリー0の甘味料のもう一つは、甘さは砂糖とあまり代わらないが、体内に一度吸収されるが、代謝されず

そのまま尿中に分泌されるものがあります。代謝されないので、カロリーとして換算されないのです。

その代表がエリスリトールです。

 

エリスリトールは、天然では白ブドウやキノコ等に含まれています。ワイン・清酒・醤油・味噌などの発酵食品

にも含まれていいます。製造法は、ぶどう糖を原料とし、酵母によって発酵され作られています。

エリスリトールは吸収されても代謝されず、尿へ排出されます。つまり、栄養にならないのです。

栄養にならないから、幾ら食べてもカロリーにならないのです。えらい強引な理屈です。

 

……しかし、それって食べ物なんでしょうか(^^;。

 

安全性は、各種機関が保証してくれます。間違いありません。ですが、私には何か落とし穴があるように

思えます。調べてみると、同様に思う方がいるようです。甘味料とカロリーのアンバランスが、逆に肥満を

生むのではないか?という論文すらありました。

 

上記のようにカロリー0の甘味料は、不安の声をあげる文章が多く見られます。新種の甘味料は砂糖の

何倍も甘いのなら、カロリーは砂糖の何倍もあるはずです。しかし、カロリーは砂糖より少ない。

普通に考えて、不自然です。何よりカロリー0の甘味料の多くは、人工的に合成されています。安全性の

基準を満たしていれば、化学的に合成されたものでも、天然で作られたものでも、差はありません。

それでも、人工的に作られたものに対する不安は、常につきまといます。

現象としてみるのなら、遺伝子操作で作られた大豆などに感じる不安と同じ種類の不安というべきでしょう。

 

これに対して、砂糖の起源は、紀元前2000年ぐらいまで遡れます。蜂蜜など、人類に文明に芽生える以前

から、食べています。天然由来であることは、間違いありません。従来型の甘味料の弊害は、肥満や虫歯を

筆頭に、広く知られています。でも、砂糖の食べすぎで癌になったなどという話は、聞いたことがありません。

仮に砂糖の食べすぎで癌になるとしても、その前に糖尿病か肥満でお亡くなりになりそうですが(^^;。

 

どんなものにも利点と欠点があります。

砂糖にもあるように、新しい甘味料の多くにも利点と欠点があります。しかし、新しい甘味料の場合は、

利点を強調しすぎるが故に、返って不安をあおっている側面があります。

その上、世界中で新しい人口甘味料を開発しています。毎年のように新しい甘味料が生まれるのです。

うまい話には裏がある。世間の常識です。そして、甘味料は甘いんです。つまり、うまいんです。

 


……不安になって当然ですね(^^;。

 


まとめましょう(^o^)。

新しい甘味料は、虫歯の原因やカロリーが大きいという欠点を克服しました。しかし、コストを筆頭に使用に

関しては、従来の甘味料に比べて制約が大きいです。そして、使われる歴史が浅いため、砂糖などに

比べると安全面で不安が残ります。特に、化学合成されているものが多いことが、その不安を煽ります。

こういうことになります。

 

これは新しい甘味料に限ったことではありません。新しい技術が世に出るときに共通した問題だと思います。

新しい技術は、新しく出てきたがために、実績が少ない。それ故、実績のある技術と比べると、欠点に目が

行きがちです。新人は、ベテランよりも実績も経験もなく、不安が大きい。

そういうことです。

 

更に言えば、食品の安全は、単独の安全性だけではすみません。何故なら、甘味料だけを食べると言う

事態は、ほとんどないからです。単独では問題なくても、他の食品と一緒に食べると予想外の危険が

起きる可能性があります。わかりやすい例が、食い合わせです。

うなぎと梅干を同時に食べると腹を壊すというあれです。

新甘味料でも起こりえます。一番有名な例が、メントスと炭酸飲料です。

お菓子のメントスを炭酸飲料に入れると、大量の発泡がおきます。メントスガイザーと呼ばれる現象です。

ダイエットコーラに入れると、著しいと言われています。YouTubeなどで探してみると、噴水のように噴出す

画像が見つかります。もっとも、この現象は甘味料より、メントスの物理形状が原因とする説が有力です。

ただ、ダイエットコーラなどに含まれている人工甘味料が、界面活性剤の役割をして、発泡の勢いを強化

していという説もあります。

ともあれ、知らない人がメントスと炭酸飲料を飲んだら、どうなるでしょう?

他にも、例えば糖尿病患者が低血糖で昏睡の対処法です。

糖尿病患者の低血糖による昏睡は、血糖値をあげれば、回復します。甘いお菓子、甘いジュースを飲めば

いいのです。血糖値をあげるときに、間違ってカロリー0の食品を食べたらどうなるでしょう?

 

……一寸怖いですね(^^;。

 

砂糖よりも安くて安全で美味しくて、カロリーが少ない甘味料が生まれるのは、まだまだ先なのでしょう。

何せ、砂糖には過去4千年に渡って使われてきた実績があります。蜂蜜に至っては、1万年前の壁画に、

その存在が描かれています。新しい甘味料は、その実績にはそう簡単にかなうはずがありません。

 

もっとも、最古の甘味料である蜂蜜も、安全かというとそうでもありません。蜂蜜にポツリヌス菌の芽胞が

含まれていたとき、免疫力が低い乳児が飲むと、危険であるとわかったのは、つい最近です。

それまでは、逆に乳児に蜂蜜は、推奨されていました。

 

こういった危険性は、従来の甘味料でも、新しい甘味料でも見つかる可能性は、否定できません。

というより、確実にあるでしょう。

100人に試験しても問題がなくても、1億人が使ってみたら問題が起こるのは、当り前です。

それが重篤にならないことを祈るしかありません。

 

我々ができることは、個々の情報を吟味し、ベストの道を探すだけです。

 

……つまり、今までと一緒です(^o^)。

 

今後も、新しい甘味料については、動向を見守りたいと思います。

次回は、甘いものの歴史について触れたいと思います。

H21.09.17.UP