#107 何もないのに、何故か歯が痛いという不思議

皆さんに、お伺いします。次の言うような経験をしたことがありますか?

貴方は右手の親指を怪我をしました。
痛みは増してきましたが、放置していたら、何故か右手の人差し指が痛くなりました。
更に痛くなりましたが放置していると、今度は左手の親指が痛くなりました。
それでも放置していると、今度は左足の親指が痛くなりました。

普通に考えて、こんな事態が起こるはずがありません。
せいぜい考えられるのは、右手の親指を怪我おして、右手を庇って左手をおもに使っていたら、慣れない操作で左手を怪我をした。
それなら起こりえるでしょう。
ただ、その場合はとっても運が悪いと言われることでしょう。

ところが、困ったことに上記のありえない事態が、歯の痛みでは起こりえるのです。
少なくとも歯医者はそう考えています。
そして、恐ろしいことに歯医者は誰もこのことに疑問を思っていません。

具体的に、その不思議な痛みは次の通りです。

①連関痛:痛くなった虫歯の隣の歯が痛くなる。
②関連痛:痛くなった虫歯の咬み合っている歯が痛くなる。
③放散痛:痛くなった虫歯と関係のない①や②以外の歯が痛くなる。
     あるいは、コメカミ、額など関係の無い場所が痛くなる。


ちなみに、原因となる歯に局所麻酔をすると痛みが消失します。
この場合、どの歯が原因なのか見極めるのは、とっても難しいです。
どうしてかというと、痛くない歯は、虫歯の有る無しが関係ないからです。
酷いときは虫歯の大きさすら関係ない場合があります。
そして、稀にですがハズレを引くと、麻酔を打つと逆に激痛が生じる場合すらあります。

……この場合、大変なのは患者さんですが(^^;。

#102でふれましたが、歯は脳神経の一つである三叉神経に支配されています。
三叉神経は、咀嚼に関わる神経や歯を支配しています。
痛みがある一定以上大きくなると、この神経で混線が起こり、脳がどの歯が痛いのかわからなくなるというのです。

混線って、表現がとっても昭和ですね。
デジタルが当たり前になった昨今では、ダイヤル式の黒電話で起こった混線などという現象は、身近ではなくなってしまいましたが。
というより、平成生まれの人は、ダイヤル式の黒電話を見たことがあるのでしょうか。

インターネットに例えると、メールサーバに負荷かが借りすぎて、メールが誤配信されてしまう状態とでも説明すればいいのかもしれません。

携帯電話でこんなトラブルが起こったら、記者会見を開いて責任者が謝罪しないといけません。
対応を間違えると訴訟沙汰です。この場合、当然のことながら、原因を調べて報告しないといけません。

だから歯医者も、この現象がどうして起こるか解明しなければいけません。
ですが、『虫歯の痛みが大きくなりすぎたから』という理由だけで済ませてしまっています。

……いいのか、それで。本当に(ToT)。

何故、そうするかというと、理由は簡単です。
痛みを客観的に計測する方法がないからです。

……『お金がない』に匹敵するほどの万能の理由になっております(^^;。

基本的に現場の歯医者は、患者さんを治療するのが急がしくて、理屈を考える暇はありません。
そして、大学などで研究している歯医者さんは、上記したように客観的な方法がないと研究ができません。

何度も書きましたが、『虫歯の痛み』については、需要がなく、研究する方法がないのです。
だから、この問題が放置されているのです。

ですが、研究する方法は本当にないのでしょうか?

『虫歯の痛み』について、現代科学の基準で客観的に研究する方法はありません。
『虫歯の痛み』を客観的に計測する方法がないからです。

そう現代科学の基準で考えると方法が無いのです。
考えてください。研究は、現代科学の基準でなくても出来るのです。

例えば、天文学です。天文学は、光学望遠鏡が発明されるまでは、研究がなかったのでしょうか?
勿論、そんなことはありません。肉眼で星や月の動きを観測、記録し、星の動きを研究してきました。

我々の祖先は、月の満ち欠けを観測、記録し、月の動きに合わせた暦を作り上げました。
農業、漁業、猟業、一次産業は月の動きと密接な関係があります。
正確な暦があるなしは、生産量に大きく影響します。
だから、望遠鏡をはじめとする計測機器がなくても、我々の祖先は月や星の動きを研究したのです。

現代科学の基礎となった学問の多くは、客観的な計測機器がない悪条件からスタートしました。
そして、研究を基に計測機器を作り上げ、更に研究の精度を上げていきました。

先達にできたことが、現代の歯医者にできない謂れはありません。
ただ、現代科学が発達したこの時代に、先達と同様の方法を取るしかないとは、思いませんでしたが。



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