虫歯は何故痛いのか?

虫歯は何故痛いのか?

虫歯は何故あれほど痛いのでしょう?
実は、この答を歯医者は明確に答えられません。言い換えると、歯医者は虫歯が何故痛いのか分からないのに、歯を削っているのです。

勿論、長年の研究から、こうすれば痛みが無くなる事が分かっています。経験から実績を積んでいるので間違いは無いのですが、何故の部分が分からないのです。幾つか仮説はありますが、立証はされていません。

私は歯医者になってから20年以上、この問題を追及してきました。最近になってようやく、従来の仮説よりも何故虫歯が痛いのかを説明できる仮説を立てることができました。

当院の治療は、その仮説に基づいております。その仮説に基づいて治療をしているところ、従来よりもはるかに短期間で患者さんの痛みを取り去ることができるようになりました。

私が立てた【もしもハイヒールを履いたマツコ・デラックスさんに足を踏まれたら……】仮説を簡単にご説明したいとおもいます。

痛みを増悪するもの

虫歯が大きくなれば、虫歯が痛くなる。普通はこう思うと思います。しかし、患者さんに触っていると虫歯の大きさと患者さんが感ずる痛みの大きさに差があることに気づきます。

私が出した答は、何かが虫歯の痛みを増悪させているというものでした。
虫歯の痛みを増悪させている何かを説明するのに、私が見つけたのは次の二つです。

○噛んだときの歯に加わる力
○歯にかかる刺激を伝える神経の構造

この二つの要素を考慮した結果、何故虫歯が痛いのかを、従来よりも説明できるようになりました。


もしハイヒールを履いたマツコ・デラックスさんに足を踏まれたら

ご飯を食べるとき、奥歯には自分の体重と同じぐらいの力が加わります。
運動時には、最大3倍の力が加わるといわれております。
体重の3倍の力が加わっても痛くない理由は二つです。

①力が加わる時間が短い。
②同じ力が全身に加わる。

ところが、貴方が疲れたり、体調が悪かったりで、瞬間的にしか加わらない力がずっと加わったままになったらどうなるでしょう?小柄な女性でも100キログラムを軽く超える力が加わることになります。

分かりやすくイメージします。
マツコ・デラックスさんを思い浮かべてください。
ハイヒールを履いたところを思い浮かべてください。
ハイヒールを履いたマツコ・デラックスさんに足を踏まれているところを思い浮かべてください。

それが貴方の虫歯の痛みです。もちろん、常にこの力が加わるわけではありません。MAXはそのくらいだとすれば、虫歯があれほど痛いのかは納得してもらえると思います。


伝えらる情報の価値

そして、この痛みを更に痛いものにしているのは、歯を支配している神経です。歯は、直接骨に植わっているのではなく、歯根膜という厚さ100μ程の軟組織を介して骨に結びついています。骨も歯も硬いです。噛んだとき一番変形するのは、この歯根膜です。この歯根膜に神経終末が大量に存在します。

歯根膜に存在する神経終末は、言わば圧力感知センサーであり加速度センサーです。ここでどの位の力で噛んでいるかを測っているのです。100μしかない厚さの変化を感知することで噛んでいる力を測るのです。すごい性能です。

ご飯に固いものが混じっていて、咬むと痛い思いをした経験は誰もあると思います。これは噛んだときの力から、柔らかいものと固いものを咬むのをコントロールしているのです。だから、柔らかいものを噛んでいるときに硬いものが入っていると、力が合わなくて痛い思いをするのです。

その性能を維持するために、この神経は脳に直接繋がっています。神経には、脳から直接出ている脳神経と脊髄を通している抹消神経の二つがあります。歯を支配している神経は、この脳神経の一つです。脳神経は、目、鼻、耳、舌といった重要な感覚器を支配しています。

つまり、歯で噛むという情報は、実は目や鼻や耳といった感覚器からの情報と同じ扱いを受けているのです。これは我々の祖先がまだ原始的な存在だった頃、噛むという情報は生きていく上で、目や鼻と同じくらい重要だったからです。何せ噛めない=獲物を取れないことを意味するのです。餓死するわけです。重要に決まっています。重要な情報ですから、直接脳に届きます。

つまり歯を支配する神経は、その性能を維持するために、太い神経が直接脳に繋がっているのです。インターネットでデータを大量に送るのなら、光ファイバーの回線で容量の大きいサーバーを使わなければいけないのと同じです。

痛みというものは危険信号です。だから、神経はその信号を最優先で伝えます。歯の痛みは、その太い回線にノイズとして乗ってしまうのです。ヘッドホンを使って最小のボリュームでラジオを聞いていたら、フルボリュームでロックが流れるようなものです。あるいは、サーバーにスパムメールが集中して、サーバーがダウンするようなものというべきでしょうか。

ハイヒールを履いたマツコ・デラックスさんに足を踏まれるのと同じレベルの力が受けたときの痛みの信号が、太い回線で直接脳に届くのです。考えるだけで、痛そうです。


痛みを取り除くには

ハイヒールを履いたマツコ・デラックスさんに足を踏まれているから痛いのなら、痛みを取り除くのは簡単です。

マツコ・デラックスさんに足を退けてもらえばいいのです。

マツコ・デラックスさんは辛口ですが、悪口を言う人ではありません。
だから、頼めば足を退けてくれます。
幾つかの手順を踏んで処置をすれば、虫歯にかかる力は和らぎます。

足を踏まれた時間が短いのでしたら、足を退けてもらえると、痛みは治まります。
赤く腫れているぐらいなら、しばらくすれば痛みが治まります。

足を踏まれた時間が長くて、皮が破けたり、骨にヒビが入っていたりすると大変です。
その場合は、改めて怪我の処置をしなければいけません。

ですが、まず最初にマツコ・デラックスさんに足を退けてもらうことが重要です。

その処置を当院では、疼痛緩和処置と呼んでおります。当院のオリジナルです。
痛みが酷いときは、この処置を行ってから通常の虫歯の治療に入ります。

虫歯の痛みについては、詳しくは<歯が痛いから歯医者に行くのに、そこで痛い思いをするのは理不尽だと思いませんか>でまとめてあります。順次公開していきますので、よろしければご覧ください。


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